ぼじゅー

鈴木隆芳(すずきたかよし)です。

 

712日(土)にグランフロント大阪紀伊國屋書店にて公開ゼミをしました。

 

その模様をお送りします。

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グランフロント大阪南館6階の紀伊國屋書店!

フロアーも広く、ゆったりとした空間、スターバックスも入っていて、従来の

本屋さんのイメージとはちがいます。その一角にあるイベントスペース。

そこに一般の来場者をお招きしての公開ゼミです。

 

手前にある円テーブルの上には、ゼミで使用している教科書と関連書籍が並ん

でいます。お手にとってご覧下さい。以下に書籍のリストがあります。

http://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Grand-Front-Osaka-Store/20140703175050.html

今回のテーマは、「グローバル化してはいけないもの」です。

ご時世にちょっとだけ逆らって、グローバル化がもたらす弊害について考えてみ

ましょう。

 

はじめのグループの題目は、

「授かるものと買うもの―———交換様式からみた教育」

鈴木ゼミお馴染み(?)の3種の交換様式(互酬・再分配・商品取引)を概説した後、

教育が商品取引されるとどんな困ったことになるかを分析します。

 

ゼミで教科書として使用している柄谷行人氏の『世界共和国へ』で示される交換様式

の考え方を応用しつつ考察を進めます。

 

教育の動機付けでは、金銭的な報酬が功を奏さないことが多くあります。

 

「学び」とは「買うもの」(商品取引)ではなく「授かるもの」(互酬)だからです。

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次のグループは、「昼の言葉と夜の言葉————コミュニケーションと個性」

 

コミュニケーションでは、わかりやすいことは良いことなのですが、その反面、そう

した表現は印象に残らず、すぐに忘れられてしまうのはなぜでしょう。

 

簡潔性や迅速性などを謳ったグローバル・スタンダードなコミュニケーションが幅を

利かせる中で、人の「個性」はどうなってしまうのか、そんなことを考えます。

 

一方、詩歌や小説などの文学的な言葉は、「わかりにくさ」や不透明性を重んじます。

結果、受け手の解釈も一人ひとりちがったものになります。

完全な正解もないけど、完全な誤解もない世界です。

それぞれのイメージや解釈が、干渉しつつも共鳴するような感じでしょうか。

 

こうした「完全には通じないもの」、すなわち、「グローバルではないもの」もコミュ

ニケーションには必要ではありませんか、というお話です。

こうしたテーマについて考えるために、歌人の穂村弘さんや俵万智さんの著書を参照し

つつ、短歌の表現の秘密に迫ります。

 

 

発表者の中には、文芸誌「ダ・ヴィンチ」で穂村弘さんが選者をつとめる「短歌くださ

い」のコーナーに自作の短歌が掲載された学生もいます。

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最後のグループは、「少子高齢化は暗澹(あんたん)たる未来なのか?」です。

 

これまでの人類の歴史を振り返ると、政治と経済の近代化、デモクラシーの進展は必ず少

子化(受胎調整)を伴ってきました。

だとすれば、少子化を、一概に悪いものとして、考えることはできないはずです。

 

こうした見方は、人類学者エマニュエル・トッド氏の著作から学んだものなのですが、

ちょうどこの時、日仏文化サミットのためトッド氏が来日しました。

せっかくですから、運命的なものを感じることにしましょう。

 

高齢化はどうでしょう。

老化には一般に否定的イメージが付随しますが、しかし、高齢者が示す、ゆったりとした、

こちらが予測できないような反応、つまり、身体反応の遅延と多様化は、実は、単なる身

体的な衰えではなく、より高度に成熟した人間的な反応を示しているのではないか、とい

う問題提起です。

これは、吉本隆明さんの『老いの超え方』や、ベルクソンの『物質と記憶』の一節から着

想を得たものです。

 

一方で、実際の老化では、身体の衰えから不自由や痛みが生じることも事実です。

 

ですから、こうした問題についてゼミ生のような若い世代がアプローチすることの難しさも

実感しました。

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そして、来場者を交えてのディスカッションです。

 

 

「少子化は、それ自体は悪いことではないかもしれませんが、とはいえ、現在の日本のよう

に、出生率の急激な落ち込みは、やはり危惧すべき事態ではありませんか?」という鋭い

ご指摘。

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ゼミ生と私で知恵を絞って考えます。

「おっしゃる通り急激な出生率の低下は看過できない問題です。その対処策について考える

ことも、もちろん大切なことです。ですが、一方で、出生率の史的推移を視野におさめれば、

非現実的な対策の危険性を察知することや、性急な判断による過ちを避けることにつながる

はずです」と、お答えしました。

 

今回は、本屋さんでゼミナールをするという、どうなるかわからない試みでした。

 

取材に来て下さった朝日新聞の記者さんからは、本屋で大学の授業をやることの意義につい

て訊かれました。

 

本屋は、未知の本と偶然に出会える場所です。

「あっ、こんな本あったんだー」と、おもいがけない出逢いがあります。

 

ネット書店のように「あんたはこれが読みたいんだろ!」と、押し付けてくることもありま

せん。

 

おもいがけない出逢いを通して、一見、関係のなく見えるものが、つながること、これは私

たちのゼミがいつも大切にしていることです。

 

そんな、ゼミの理念を体現しているのが、本屋さんです。

 

紀伊國屋のスタッフの方々には、大変にお世話になりました。

おかげさまで貴重な学びの機会を得ることができました。ありがとうございます。

 

入念に準備をしたつもりでしたが、私たちには至らない点も多くありました。

しっかり反省をしつつ、今後の活動に活かしてゆきたいと思っています。

 

今回の公開ゼミの企画を、「面白そうだ」と励まして下さった紀伊國屋の才田さんのおかげで、

このイベントは実現できました。改めてお礼を申し上げます。

 

最後になりましたが、才田さん!

「次回もやりましょう」とおっしゃって下さいましたね。

そのお言葉を信じてこれからも励みます。

また、是非、お願いします!

 

 

鈴木隆芳
経済学部 経済学科

 

ぼじゅ♪

鈴木隆芳(すずきたかよし)です。

 

間際になっての告知、一刻を争う告知、

これすなわち刻知なり。

わおー

 

2014 712(土)15時より、グランフロント

大阪紀伊國屋書店イベントスペースで、公開

鈴木ゼミをします。学生発表3本と来場者を

交えての質疑応答を行います。

 

テーマは、「グローバル化してはいけないもの」です!

時流に抗います!

 

こちらをご覧になると、案内とゼミ生との写真があります。

http://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Grand-Front-Osaka-Store/20140703175050.html

 

 

 


以下に学生のグループ発表の要旨をサイトより引用します。

(引用はじめ)

1.授かるものと買うもの交換様式から見た教育

 テレビ、パソコン、冷蔵庫などは、自ら購入しようが、他

人から譲渡されようが、同じように使用することができます。

一方、教育や道徳といったものは、どのように手に入れたか

によって価値が異なってきます。商品取引という考え方がグ

ローバル化する中で、授かるのか、買うのか、すなわち、交

換様式によって質の変わるものについて考察を試みます。

 


 

 

2.昼の言葉と夜の言葉コミュニケーションと個性

 言語はコミュニケーションの道具であると一般には言われま

す。しかし、「わかりやすいこと」をただひたすらに求めると、

「なにも伝わらない」ということが生じます。言語のグローバ

ルな価値と、それを発する人の個性はどのように折り合うので

しょうか。この発表では、詩歌の言葉が放つ不透明性や曖昧さ

が、実は、私たちの社会的な生を支えている、ということを示

したいと思います。


3.少子高齢化は、暗澹たる未来なのか?

 歴史を長期的なスパンで展望すると、少子化・識字率の向上・

デモクラシーの進展は、ほぼ例外なく、歩調を合わせて進展し

ています。もしかしたら、少子化は私たち人類が望んでいたこ

となのかもしれません。ですが、現状では、少子化からイメー

ジされるのは、老齢者の溢れる不活性化した社会でしかありま

せん。少子化と高齢化について、多様な角度から検討を行うこ

とで、この発表が、こうした既成概念について考え直す一助に

なれば良いと願っております。

(引用おわり)

 

七夕パーティで演奏をしました。

恋するフォーチューンクッキーのジャズ風です。

こちらは、もう終わってしまったので、告遅だね。


わおー

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鈴木隆芳
経済学部 経済学科

 

こんにちは。経済学部教員の上宮です。

 

明日,7月5日(土),上宮ゼミがTV出演します。

 

NHK総合,午前1050分?12

『週末応援ナビ☆あほやねん!すきやねん!』

 

 http://www.nhk.or.jp/ahosuki/

 

先週火曜日(624日)のゼミでロケがおこなわれました。

 

私もゼミ生も緊張でガチガチ,カミカミですが,頑張りました。

また,私が顧問(部長)を務める自転車部サイクルサッカー班も登場します。

 

近畿エリアのみの放送ですが,もしご都合よろしければ是非ご視聴ください。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

大阪経済大学 経済学部教員 上宮智之

上宮智之
経済学部 経済学科